医学の体系化の教訓

医学の領域では、実証的な一例報告が重視され、やがてその集積が体系化されて、今日の医学の基礎をつくったといわれています。

医聖として現代もその業績について評価されているヒポクラテスは、自己の症例を詳細かつ正確に記述して残しているということですが、その症例は現代医学の診断に耐えられるくらい的確なものであるともいわれています。

また、一七世紀にイギリスのトーマス・シデナムが病気の種(スピーシス)ということを説き、今日の鑑別診断への道を開きました。

彼はこんな言葉を残しています。

「自然は、順序立った恒常の仕方でいろいろな病気をつくりあげる。

そして同じ病気は異なった個体にほぼ似たような症状をひき起こす(もちろん特定の人々の体質に起因するなにがしかの変動があるにしても)。」

つまり、今日では誰も当然であると考えている病名というカテゴリーが「臨床観察に基づく患者の症状と経過と、そのおかれた諸条件を記録し、しかも、その背後に病気の自然誌を明確に考えたこと、確実なデータの収集とその間の近接した因果関係の解明にあった」ということを理解しなければならないでしょう。

こうした一歩先の医学の体系化の教訓から学ぶことにより、看護における独自のカテゴリー化についての方法への示唆を受けることができましょう。

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