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2010年04月 アーカイブ

患者中心の看護を実践するために

人間の尊厳性や、患者中心の看護とはどういうものなのでしょう。

かつて不治の病と言われた数々の病気は医学の進歩によって制圧されました。

しかし、医学にも限界があります。

やがて近づいてくる死に対し、医師は自分の無能を嘆くかも知れません。

しかし、患者はそうした医師の努力に感謝こそすれ、恨む筋はないのです。

死はその医師を通じてやって来るのではなく、その人個人にやって来るからです。

治癒するのも死するのも、その人なのであり、医療に携わるものはそれを援助するにすぎないのです。

このことを徹底して知るとき、患者中心の医療、患者中心の看護が成立するのです。

患者を鼓舞激励し、信頼することからそれは始まります。

患者を容認し、肯定し励ますのです。

患者中心の看護を実践するために 2

人は危機にあるとき、そこに新しい始まりをみるとボルイは言います。

そうしたエネルギーを信頼するのです。

危機は、患者自身が乗り越えねば解決しないのであり、乗り越えられる様に援助するのが、医療従事者の役目だからです。

ずいぶん前の出来事ですが、いつまでも私の心にひっかかっていることがあります。

それは、小さな研究会でのこと。

看護者に理解があると言われている一人の医師が、

「看護者は、患者の身体的精神的援助をするというが、もし夫婦げんかをして悩んでいる患者がいたら、
援助相手に会ってその仲裁もするのか」と質問しました。

一同、長い間沈黙が続いた後、ある看護者は、「ええ、そうです。」と答えました。

そして「看護者はいくつ体があっても足りないほど大変なんだねえ。」と言う、その医師の言葉で、研究会は終わりました。

私は何度も発言しようとしたのですが、内容に確信が持てないままついに発言できなかったからです。

援助行為とは、仲裁するという行為ではなく、悩んでいる患者の心に働きかけ、問題に立ち向かうことができるよう、その心を鼓舞激励することなのです。

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